調子が悪い原因のトップ、胃・十二指腸潰瘍

胃・十二指腸潰瘍は消化器系の疾患の中でも、最も一般的なものです。若い人から高齢者の方まで発症します。

■ 原因
以前は胃内の酸分泌のバランスが崩れることが最も多い原因の一つとされていましたが、近年ヘリコバクターピロリ菌（ピロリ菌）という最近が関係していることが分かりました。ピロリ菌の感染率は一般的に発展途上国で高く、先進国で低くなっています。つまり上下水道の普及率が悪い不衛生な状態では感染しやすいと言えます。またストレスや鎮痛剤などでも潰瘍ができます。日ごろから暴飲暴食を避け、ストレスを上手に解消する方法をみつけることが潰瘍発症を予防できます。

■ 診断
胃・十二指腸潰瘍は内視鏡（胃カメラ）検査による診断が必要です。内視鏡では直接病変をとらえ、組織の検査も同時に行えます。

胃・十二指腸潰瘍の発症が暴飲暴食やアルコ－ル飲み過ぎ、ストレス、喫煙等によるものであるとはっきりわかっているときは、それを取り除き、胃酸分泌を効果的に抑える薬（ヒスタミンＨ２ブロッカーなど）を服用すれば短期間で治ります。

しかし胃・十二指腸潰瘍は治療で軽快しても再発することが多くみられます。その場合はピロリ菌の駆除（除菌）を行うことになります。ピロリ菌の駆除（除菌）が成功した場合再、発再燃が以前と比べ著明に減少してきています。１週間ほどの内服による除菌となります。以前は保険が使えませんでしたが、現在では保険治療が認められています。

潰瘍が気になる方は以下のことに気をつけましょう

■ ストレス
できるだけストレスから自分を開放して、休養を取るようにしましょう。タバコはやめた方が良いでしょう。

■ 食べ物
暴飲暴食をしていなくても、胃壁に刺激を与えるものや粘膜をあらすもの、消化の悪いものは控えるようにしましょう。

胃ガンが発見される場合もあります

また潰瘍と同じような症状でも早期胃癌である場合もあります。早期胃癌が見つかった場合、がんの範囲や深さによっては、内視鏡的に治療できるようになりました。胃粘膜切除術という方法です。ここ数年で症例数も増加していますので当院で早期胃癌が見つかった場合には速やかに専門医を御紹介いたします。